近年、世界各国が積極的に IT 投資を行い、あらゆる 分野で IT による真のイノベーションが起きています。
米国ではタクシーは Uber に取って代わられ、ホテル 業界は Airbnb に戦々恐々としています。また中国では スマートフォン決済が浸透し、Alibaba や Baidu と言った 巨大 IT 企業も出現しています。
自動車、工場などあらゆるものがインターネットに つながる IoT 社会になりました。コンピュータに目を 移せば過去には考えられなかった高い認識能力を持つ ようになり、AI を駆使することで人間の不得手な部分を 補い、IoT で収集されるビッグデータから新たな価値を 生み出すことが可能となりました。
日本政府は、第 5 期科学技術基本計画において、 我が国が目指すべき未来社会の姿として Society 5.0 (超スマート社会)を提唱しています。IoT で全ての 人・モノがつながり、共有される知識や情報から新たな 価値が生み出される Society 5.0 の一刻も早い実現に 向けて、産業界はより一層の変⾰と成⻑を求められています。
組込みシステム産業振興機構は、2007 年に産学官連携で組込みソフトを中核とした産業発展モデルを 確立すべく発足された関⻄経済連合会内の組込みソフト産業推進会議を⺟体としています。それから 10 年以上が経過し、情報技術の未曾有の発達のなかで、情報技術の適用可能な事業分野が飛躍的に 拡大しました。
これからも IoT、AI、ビッグデータ等の技術⾰新は続き、社会・経済システムの変⾰にまで及ぶ イノベーション創出があらゆる分野で求められることは必至です。こうした時代の変化に対応し、 組込みシステム産業振興機構としては、最先端情報技術を身につけた時代を牽引するリーダーの育成や、 新たな発想による IT を利用した異分野のビジネスマッチングなどを通じ、関⻄を中核として、 日本全体のビジネスの持続的成⻑、ひいては政府が主導する Society5.0 の将来に向けて力強く 活動していきたいと考えています。
組込みシステム産業振興機構 理事長 西尾 章治郎