HOME > 組込み適塾>講座一覧 > 機能安全を考慮したシステム要求と分析 【A01-03】

機能安全を考慮したシステム要求と分析A01- 03

講義概要

講義日時:2017年7月25日 9 : 30~ 17 : 30

近年、航空機、鉄道、自動車、医療機器など様々な産業機器・装置に対しては高い安全性が要求されている。このようなシステムに対し、その安全性を確保する方法として機能安全という考え方がある。機能安全の国際規格としては、電子・電気・プログラマブル電子機器に関するIEC 61508をはじめ、自動車のISO 26262、鉄道のIEC 62278 などがあり、それぞれのシステムにおいて適合性のための評価が必要となる。また、IoT化などにより安全性に加えセキュリティの確保も求められるようになってきている。本講義ではこのような状況にもとづき、機能安全の基本概念および規格の概論、セキュリティと安全性の関係、それらの分析方法論、安全性(セキュリティ)に関して用いられる保証技術について解説する。
講師
(国研)産業技術総合研究所   相馬 大輔
株式会社 チェンジビジョン      高井 利憲
【相馬 大輔 氏】
2008年北陸先端科学技術大学院大学 情報科学研究科 博士後期課程修了(博士(情報科学))。 規格認証に関する工学的なアプローチ、安全性とセキュリティの分析・設計手法、要求トレーサビリティ確保技術などに関する研究およびコンサルテーションに従事している。

【高井 利憲 氏】
1996年九州工業大学情報工学部知能情報工学科卒。2001年奈良先端科学技術大学院大学博士後期課程単位取得認定退学(博士(工学))。ISO/IEC JTC1/SC7/WG7 国内委員。奈良先端大学にて「システム要求工学」「システムアシュアランス」等の講義や演習を担当。

講義内容

【 前半: 講義 】

  1. 機能安全規格概論: 安全性を確保するために用いられる機能安全という考え方を、規格の概要とともに解説する。
  2. 安全性とセキュリティ: 安全性とセキュリティの違いと、どのように相互影響を考えるかについて解説する。
  3. 安全性保証技術: 安全性(またはセキュリティ)が確保されていることを保証するための技術(セーフティケース、アシュアランスケース)について解説する。

【後半: 演習】

  1. 従来型の故障、誤り、障害連鎖モデルに基づくFMEAやFTAではなく、システム理論に基づく手法であるSTAMP/STPAによるハザード分析を体験する。
  2. 安全性などが実現されていることを効果的に説明するための手法であるGSNによる安全性論証を体験する

受講要件

【受講要件】
ソフトウェア開発を経験していることが望ましい。
【事前学習のポイント】
機能安全を考慮したシステムやソフトウェアの開発は、安全性などの品質を説明することが重要になります。日頃のソフトウェア開発における各活動が最終的な製品のどのような品質に貢献しているのか説明できるか少し考えてみてください。

教科書

講義2週間前に電子ファイル送付(事前学習を推奨)

講義に関連する解説記事・参考文献等

  • IPA「組込みシステムの安全性向上の勧め(機能安全編)」
    https://www.ipa.go.jp/sec/publish/tn05-011.html
  • IPA「製品・システムにおけるソフトウェアの信頼性・安全性等に関する品質説明力強化のための制度構築ガイドライン」 https://www.ipa.go.jp/files/000029495.pdf
  • 石原嘉一「システムアシュアランスで勝ち組に(特集システムアシュアランスの実践で市場の勝者に:機能安全規格をどう活用すべきか」, ISO マネジメント, 14(2):40-47, 2013年2月
  • D-Case研究会 http://www.dcase.jp

↑ページトップへ