講義概要
2011年に発行された機能安全規格 ISO 26262 は、自動車分野における安全設計の基本思想を提供するリファレンスとして広く定着している。この規格を参考にしながら、自動車以外の分野においても通用するシステムの安全アーキテクチャ構築法を学んでいただく。
講師
- 所属
- DNV GL
- 講師名
- 山下修平
1983年日産自動車に入社、30年にわたり車載電子制御システムの開発に従事した。この間2005年に自動車技術会機能安全分科会長に就任し、ISO 26262策定活動に参画、国内の関連活動を主導した。2013年より欧州系認証機関に移り、テクニカルディレクタとして国内外自動車業界における当該規格対応支援に従事した。2014年4月より現職、SCN-SG(安全コンセプト記法研究会)チェアマンを兼任。
講義内容
- 自動車機能安全規格 ISO 26262 概説 :
当該規格の背景や全体像と機能安全の基本概念、メカトロ制御系・組込み技術分野における安全設計の考え方、これを実装に落とし込むまでの考え方を解説する - 安全アーキテクチャ視点からの規格要件 :
ISO 26262 のコアコンセプトと位置付けられる、安全アーキテクチャ構築に必要な安全要求の導出法や安全分析法を解説する - 安全コンセプト記述言語SCDL解説 :
ISO 26262 の規格意図に基づいた安全アーキテクチャ構築に用いることを意図して開発された、安全コンセプト仕様記述専用言語SCDLの基本を解説する - 安全アーキテクチャ構築の実際:
具体的な事例をベースに小演習を交えながら手順や手法類を体験いただく
受講要件
- 【受講要件】
- 制御系のシステム開発,組み込み製品のハードウエア・ソフトウエア設計などの経験を有することが望ましい
- 【事前学習のポイント】
- 一般的な安全規格に関する情報、システムズエンジニアリング概要、SysMLなどのシステム仕様記述法、要求工学概要などを事前に調査しておいていただくと、講義が理解しやすくなります。