講義概要
ソフトウェア開発の世界でUMLが登場して20年が経ちました。今や分析と設計の基礎技術としてUMLは読めて当たり前の時代になりつつあります。しかし、組込みソフトウェア業界においては、実務レベルのUMLモデルに触れて学ぶ機会はまだまだ少ないのが実情です。そのような状況であっても、広大なUML概念基礎の中で組込みソフトウェアに適用して効果のある部分がどれであるかを知ることは大切です。本講義では、開発工程の上流から下流に向けてUMLを利用した実務経験に基づいた解説を行いつつモデリングの理解を深める演習を行います。
講師
- 所属
- 東陽テクニカ
- 講師名
- 二上貴夫
産業や科学研究用途の計測システム開発と組込みソフトウェア開発技術の普及活動に従事。ETロボコンを創始、模型飛行船ロボットを題材として組込みシステムの モデル駆動開発など実践的開発力向上のための活動を行っている。並行して米国OMG、IICなどと協力して国籍を問わないソフトウェア技術に関する議論を行う。
講義内容
- UMLとオブジェクト指向の利用演習
- UMLで実際にモデリングをしてみる
- ドメインモデリング
- ステートマシンモデリング
- インスタンスモデリング
- クラス・リレーションモデリング
- UMLで実際にモデリングをしてみる
- 事例に見る組込み開発でのUML活用方法
- 産業用計測システム開発でのケーススタディ
- スポーツ科学研究と組込みシステム
- IoTの世界とUMLの関係
- IoTにUMLを利用する
受講要件
- 【受講要件】
- 初等Cプログラミングを大学、学校、企業研修などで受講または自習していること。
UMLの記法(データモデル、振る舞いモデル)について基礎知識があること - 【事前学習のポイント】
- UMLの記法について、どのようなものがあるのか一般の解説書を読んでおくこと
教科書
講義2週間前に電子ファイル送付(事前学習を推奨)講義に関連する解説記事・参考文献・図書等
電気工学ハンドブック 2013、36編4章 組込みソフトウェア開発Russ Miles,Kim Hamilton(著)、原隆文(訳)、入門UML2.0、オライリー・ジャパン
JIS19501 オープン分散処理-統一モデル化言語(UML)1.4.2版