講義概要
システム開発の現場では補助的に捉えられ後回しにされがちな、仕様書や設計書の文書化作業(ドキュメンテーション)の役割を見直し、その重要性を理解する。とくに、組込みシステム開発全体の品質を左右しうるソフトウェア開発に焦点を当てる。そして、ソフトウェア品質と開発プロセス品質を向上させるためのドキュメンテーションの在り方とその方法を、記述例や演習を通して学ぶ。講師
- 所属
- 合同会社イオタクラフト
- 講師名
- 塩谷 敦子
合同会社イオタクラフト 代表社員. 豊田中央研究所で自動車分野のAI技術研究に携わった後,UMISTにて自然言語処理技術を学ぶ.その後,車載ソフト開発のデンソークリエイトでのソフトウェア開発文書(仕様書や設計書)に着目した新しい教育事業推進の経験を活かして起業.現地現物の開発文書を教材とした教育や文書診断と改善支援を事業化.ASDoQ 幹事.
講義内容
- システム開発のプロセスと品質
- ドキュメンテーションの役割
- ・ドキュメンテーションによるシステム開発の可視化
- ・QCDにおける役割
- ・チーム開発における役割
- ・ソフトウェア開発プロセスにおける役割
- ドキュメンテーションによるソフトウェア品質の向上
- ・ソフトウェアドキュメンテーションとは
- ・ドキュメンテーションによるソフトウェア開発のとらえ方
- ・ソフトウェアドキュメンテーションの心得
- ドキュメント品質の向上
- ・ライティング作法
- ・ソフトウェア文書診断
演習
受講要件
- システム開発文書に関わる経験(書く,読む,管理する,レビューするなど)があることが望ましい.
受講にあたって必要な準備
- (事前学習の推奨)
- 事前学習教材の「システム開発文書品質モデル」を一読し,自身が書く文書(システム開発文書に限定しない)で不適合となりそうな点をチェックして,弱点を認識しておくこと.
事前学習教材は,講義2週間前までに電子ファイルにて提供します.
講義に関連する解説記事・参考文献・図書等
- ◆塩谷 敦子(著):理系のための文書作成術【PDF版】,CQ出版 Tech Villageセレクト・シリーズ電子書籍,2011
(http://cc.cqpub.co.jp/lib/system/doclib_item/1065/) - ◆(独)情報処理推進機構 ソフトウェア・エンジニアリング・センター(編著):【改訂版】組込みソフトウェア向け開発プロセスガイド,翔泳社,2007
- ◆阿部 圭一・冨永敦子(著):「伝わる日本語」練習帳, 近代科学社,2016