第16回組込み適塾

  • J01-02
組込みソフトウェア構築技法

講義日時:2023年8月4日 9:30~ 17:30

講義概要

現実物理世界との相互作用およびリアルタイム性(制約時間以内に処理結果を返すこと)が組込みシステムの大きな特徴である。それらを可能にするための組込みソフトウェアの開発における有用な技法およびその時に関連するマイコンシステムに関して解説する。

講師

所属
大阪電気通信大学 
講師名
南角茂樹
1982年から三菱電機(株)名古屋製作所,産業システム研究所,先端技術総合研究所などにて,組込みシステムの開発,研究に従事。2006年より大阪電気通信大学大学院コンピュータサイエンス専攻にて組込みシステム、組込みリアルタイムOS 、密結合マルチコアプロセッサシステムにおける相互排他(排他制御),SMPにおけるISRマイグレーションの研究および教育に従事,現在同大学教授,博士(工学)

講義内容

業務系システムがスループットを要求されるのに対して,組込みシステムは現実世界の予測できない様々な変化に対するリアルタイム性(処理結果が制約時間以内に返されること)が要求される。そのうえリソースが限られる組込みシステムにおいて要求を実現するためには業務系システムとは異なる様々な知識,技術が求められる。 本講義では組込みシステムの中心となるマイコンシステムおよび組込みシステムの特に実装を中心に注意点に関して解説する。 さらに,組込みシステムが現実の物理的な変化に対応して動作するためには,並行/並列処理が重要であり,並行/並列処理において,特に再現性の低い不具合の原因となりやすい排他制御(相互排除)に関しても解説する。

【講義内容】

  1. マイクロコンピュータのアーキテクチャ
  2. I/O ,メモリマップ
  3. 割込み,ポーリング,スピンロック,並行処理と並列処理,リアルタイム処理
  4. 排他制御の必要性
  5. ユニプロセッサ/RTOS使用組込みシステムにおける排他制御

受講要件

  • CまたはC++言語のプログラミング経験があること,少なくともプログラミング経験があること。 特にポインタについて十分理解していることが望ましい。
    プロセッサの種類にはこだわらないが,アセンブラの経験があると更に望ましい。

受講にあたって必要な準備

  • 事前に講義内容に関する希望を聞くアンケートを送る場合がある。その場合はそれに回答すること。

オンライン講義に変更になった場合に必要な準備

  • 上記「受講にあたって必要な準備」に同じ。

講義に関連する解説記事・参考文献・図書等

  • 分散システム 第2版 (未来につなぐ デジタルシリーズ 31) , 共立出版株式会社
    第13章 パーペイスブシステムと分散組込みシステム,第14章 密結合型分散システムにおける排他制御