第17回組込み適塾

  • B01-02
組込み技術者のためのファシリテーションと戦略【WS】

講義日時:2024年7月16日 9:30~17:30 

講義概要

比較的個人で開発を行うのが多い組込み技術者のために、チームで問題解決にあたる際の方法論の習得および実践的な活用を目的として、ロジカルに整理しながら議論を見える化するためのファシリテーション技法やグラフィック記法を学ぶ。本手法は、新規ビジネスなどのイノベーションの局面だけでなく、既存ビジネス・製品に関する問題解決や「自社製品の強みや売り」などを分かりやすく整理することにも活用できる。
さらにこれらの技法を応用するとともにSTPマーケティング技法も学び、マーケティングの視点をプロジェクト推進やシステム開発に応用することも習得する。具体的には、仮想的なIoT応用開発の事業戦略をグループ討議で検討する戦略立案ワークショップの演習により応用力を身につける。職場に持ち帰って実行する事後課題も合わせて、実践的なリーダーシップを発揮できる人材(十字型人材)を目指す。

講師

所属
ヒューマンフロント研究所
講師名
前川 隆昭
1981年京都大学大学院工学研究科修了、同年三菱電機入社。主として社会インフラ系ソフトウェア開発に携わり、プロジェクトリーダー、技術部長、米国事務所長などを歴任。2011年から人材開発センターにてソフトウェア技術者の人材育成に従事。2020年12月に退職し、2021年1月に人材育成・能力開発コンサルティングのヒューマンフロント研究所を設立し代表に就任。関西学院大学非常勤講師、国家資格キャリアコンサルタント、日本プロフェッショナル講師協会認定講師、プロティアン・キャリア協会認定ファシリテーター、HRアセスメント診断士

講義内容

  1. 本講座の概要:本講義の狙いや特長などを説明した後、目指すべき「十字型人材」についても解説する
  2. ファシリテーションとは:ファシリテーションの定義と応用分野について説明する
  3. ワークショップへの応用:ワークショップの概要とファシリテーションの応用について説明する
  4. ファシリテーションの技法:共有→発散→収束→決定のサイクルを回しながら、ワークショップを進めていく技法について、小演習を交えながら説明する
  5. ファシリテーショングラフィックによる議論の見える化:話の内容を図解するための様々な手法について、特に構造化するためのフレームワークや図解ツールを中心に説明する
  6. 戦略立案ワークショップ「IoT応用システム」演習:これまでで学んできたファシリテーション技法を活用するとともに、STPマーケティング技法も応用して、グループ別のワークショップにより「IoT応用システム」の事業戦略を立案し発表する
  7. 論理的問題解決のレシピ:グループ討議で十分深掘りできなかった論理的に問題解決を行う手法について、そのプロセスと留意点を説明する
  8. 事後課題について:職場に持ち帰って実践する事後課題とその提出方法について説明する

受講要件

[受講要件]
対象として、中堅のチームリーダー、実践的なファシリテーション技法を学びたい管理職、これからチームをまとめる役割を担う若手技術者を想定しているので、これらの要件に叶う方の受講を期待する。
[事前学習のポイント]
事前に電子ファイルで提供されるテキストをよく読んで、小演習をあらかじめ行っておくとともに、質問ポイントをまとめておくことが望ましい。

受講にあたって必要な準備

原則として対面で行う予定であるが、状況によってはオンラインとなる。また、対面の場合もオンラインでの参加も認める。講義2週間前に電子ファイルでテキストを提供するので、事前学習を行っておくこと。
また、事後課題があるので、職場の上司やメンバーへの協力を取り付けておくこと。

講義に関連する解説記事・参考文献・図書等

  • 書籍「ファシリテーション入門」堀公俊、日経新聞出版、2004年
  • 書籍「トヨタの問題解決」OJTソリュウーションズ、KADOKAWA、2014年