第17回組込み適塾

  • D01-08
時間駆動型ソフトウェア設計

講義日時:2024年7月11日 9:30~17:30

講義概要

組込みシステムの多くは時間制約の厳しいハードリアルタイムシステムであり,応答時間の予測がしやすい周期的処理を用いた時間駆動アーキテクチャが適している。本講義では,理論的基礎である周期タスクのスケジューリングから,現実のシステムを対象とした時間駆動に基づくオブジェクト指向設計・実装法までを解説する。

講師

所属
東京都市大学
講師名
横山孝典
(株)日立製作所にて自動車制御分野を中心に組込みソフトウェアの研究開発および製品開発に従事した後、東京都市大学にて組込みソフトウェアに関する教育・研究に従事。主な研究分野はリアルタイムオペレーティングシステム,組込みシステム向け分散処理環境,組込みソフトウェア開発手法・ツール等。

講義内容

本講義では,ハードリアルタイムシステム向けの時間駆動に基づくソフトウェア設計法について解説する。具体的には,リアルタイムシステムの分類,時間駆動とイベント駆動の違い,スケジューリング理論,時間駆動向けオペレーティングシステム,時間駆動に基づくオブジェクト指向ソフトウェアの設計および実装方法について講義する。また,講義内容について理解を深めるための演習課題を課す。
  • (1) リアルタイムシステムとは・・・ハードリアルタイムシステムとソフトリアルタイムシステム
  • (2) 時間駆動とイベント駆動・・・リアルタイムシステム向け処理方式
  • (3) スケジューリング理論・・・周期タスク,RMスケジューリング,EDFスケジューリング
  • (4) 時間駆動向けオペレーティングシステム・・・周期タスクの実現方法
  • (5) 時間駆動オブジェクトモデル・・・時間駆動システム向けオブジェクト指向ソフトウェア
  • (6) 時間駆動オブジェクト設計法 ・・・ オブジェクトの抽出と詳細設計
  • (7) 時間駆動オブジェクト実装法・・・資源消費量を抑えた実装

受講要件

【受講要件】
  • マルチタスク処理やUMLに関する基礎的知識を有しているか,本コースの関連するベース科目を一緒に履修するのが望ましい。
【事前学習のポイント】
  • リアルタイムシステムにおける周期的な処理の特徴を理解しておくと,講義の理解が容易になる。

受講にあたって必要な準備

  • 特になし

講義に関連する解説記事・参考文献・図書等