講義概要
技術レビューは上手くいっていますか?スケジュールや予算ばかり議論して技術の指摘がなかったり、技術の指摘のついでにマウントするような発言があったり、あるいは開発プロセスに従うアリバイづくりの形だけのレビューだったりしていませんか。そんなレビューから卒業しましょう。本講義では、レビューに必要な能力や、参加者がとるべき態度や、レビューの改善方法などを学びます。レビューを前向きに取り組み、レビューの効果を取戻しましょう。レビューが上手くいけば、品質も生産性も向上し、技術者も管理者も組織も成長します。講師
- 所属
- 名古屋大学
- 講師名
- 山本雅基
1981年日本電装(現デンソー)に入社。カーエレクトロニクス黎明期にナビゲーションシステムやエキスパートシステムなどのソフトウェアの研究・開発に従事。2004年から名古屋大学(2016年は大阪大学)。現在は、名古屋大学大学院情報学研究科附属組込みシステム研究センターで、実践的な人材育成と企業との共同研究に従事。特任教授。
講義内容
- ・レビューとは
- ・経済産業省の産業実態調査に見る他社と、自社の比較
- ・クリティカルシンキング
- ・クオリティを「品質」ではなく「質」と訳そう
- ・デミング の功績
- ・レビュー対象は開発文書であり、技術者ではない
- ・開発プロセスと開発文書の関係
- ・開発文書の5Sに取り組もう
- ・レビューの分類,レビューの効力
- ・効率的なレビューのヒント
- ・レビューの落とし穴,コミュニケーション,レビューをレビューする,鍵を握る指導者,意識の成長
受講要件
- 特にありません。
レビューに参加した経験があると望ましいです。
受講にあたって必要な準備
- 皆さんが従う開発プロセスにおいて、レビューがどこで行われるか、再確認しておいてください。
皆さんが経験したレビューで、良かったことと、悪かったことを思い出しておいてください。
悪かったレビューを、どうすればもっと良いレビューになったか考えてください。良いアイディアを思いついた方は、ぜひご披露ください。
講義に関連する解説記事・参考文献・図書等
- IPA/SECの「改訂版 組込みソフトウェア向け開発プロセスガイド」は良書です。目を通して、レビューがどこで行われているか知っておくと良いでしょう。
(https://www.ipa.go.jp/archive/publish/qv6pgp0000000y6r-att/000005126.pdf)